建築単価 7年連続で上昇/商工リサーチ発表
人件費の高騰が要因
【那覇支社】東京商工リサーチ沖縄支店は1日、2017年度の県内建築物の施工単価を発表した。1平方㍍当たりの施工単価は、前年度比4・2%増の22万3400円。7年連続の上昇となり、10年度以降の過去最高を更新した。10年度からの上昇率は35・1%。同支店では、建築単価の上昇について、「人口や観光客の増加を背景に、ホテルやマンション、一戸建て住宅の需要が高水準で推移した結果、職人不足により人件費が高騰したことが要因」と分析している。
昨年度に最も多く建てられた鉄筋コンクリート造建物の1平方㍍当たり施工単価は、前年度比5・3%増の23万8600円。次いで多かった木造は、同8・8%増の18万4500円。鉄骨造は同4・4%増の19万400円、コンクリートブロック造は同10・5%増の19万8500円だった。
建築棟数は、前年度比2・9%増の5736棟で、10年度以降で2番目に多い水準。産業用建築数が1327棟と前年度から2・9%減少したものの、住宅は4180棟と同4・6%増加した。
住宅が伸びたのは、比較的コストが低い木造住宅が1022棟と前年度から35・7%増えたのが理由。鉄筋コンクリート造は、2360棟で同2・7%減だった。
産業用建築数のなかでは、観光入域客の伸びを受けた「宿泊業・飲食サービス業用」が、同15・3%増加した。
用途別の施工単価は、居住専用住宅が、前年度比2・6%増の19万5200円と、5年連続で上昇した。事務所や店舗、工場、倉庫、学校、病院などの産業用建築物は、同2・9%増の25万4700円で、6年連続の上昇となった。