バイアス（ｂｉａｓ）英語の辞書では、（心の）偏向、性癖、先入観などとある。辞書は心を括弧で囲んであることに意味がある。心の偏向は考え方の偏向と置き換えられ「彼の考えはバイアスがかかっている」と使われる。バイアスのかかった考えとはどこから生ずるのだろうか

　▼特定の新聞や見慣れたテレビの影響が大きいのではないかと考えられる。同じような論調や画像を毎日のように繰り返し読まされ、見せられるとそれを当然のこととして受け入れる。メディアバイアスに感化された結果ではないのか

　▼メディアバイアスとは、新聞社やテレビ局が情報源を取捨選択し、読者や視聴者には部分的に伏せた情報を提供して、特定の場面、特定の考えに誘導する。さらに、思想・イデオロギーに絡む情報を市民運動家や特定の学者、大学教授の意見として報道することで社会的な信ぴょう性を高めようとする情報操作を意味する

　▼８月１４日、某女性週刊誌の宮古島の自衛隊基地建設に関する記事がネットで拡散されていた。記事は、基地建設に反対する人たちの名前を明らかにしながら彼らの発言を根拠とした公平性のない偏った内容であったことから批判にさらされていた

　▼ネット社会となって誰でも情報を発信できるようになっただけでなく既存メディアの報道に対しての批判や意見が展開されるようになった。ジャーナリズムはネット情報を「フェイク」とさげすむが「偏向」といわれても仕方のない既存メディアの報道姿勢についてはどうだろうか。情報を受ける側としては看過できない問題である

　▼宮古毎日新聞は「正確かつ公正な記事と論評」を理念とする新聞である限り情報提供者としての品格を損なうバイアスに陥ることは無いだろう。（凡）