玉城氏、出馬へ前向き/呉屋氏は出馬固辞
県政与党など全会一致で打診
【那覇支社】9月30日投開票の県知事選に向け19日、翁長県政を支えてきた各政党などは調整会議を開催し、沖縄3区選出の玉城デニー自由党幹事長(58)と金秀グループの呉屋守将会長(69)に立候補を要請することを全会一致で決定し、同日中に出馬打診を行った。玉城氏は出馬に向けて前向きな姿勢を示す一方、呉屋氏は固辞したものとみられる。
同日の調整会議は、故翁長雄志知事が玉城氏と呉屋氏の立候補を期待する音声データが見つかったことを受けたもの。調整会議は、これまで翁長知事の後継候補者の選定を進め、17日には呉屋氏、謝花喜一郎副知事(61)、県議会副議長の赤嶺昇県議(51)などの名前が挙がっていたが、音声データの存在を受けて作業を白紙に戻した。
会議後、議長を務める照屋大河県議(社民・社大・結)は「重要な選挙ということで、構成組織が一つにならなければ候補者の決意も促せない。全会一致でまとまった」と話した。
その後、同会議の正副議長らは呉屋氏と玉城氏を訪問して出馬を打診。玉城氏は20日、記者団に対し「後援会や関係者と相談して返事すると答えた。受諾すると答えたわけではない」とする一方で、「自分も(政策を含めて)用意しないといけない」とも述べ、出馬に前向きな姿勢を示した。呉屋氏は、出馬を固辞したとみられる。
翁長知事の音声データは、死去の数日前に病院で録音されたとみられている。17日の調整会議後、遺族に近い関係者から、新里米吉調整会議顧問(県議会議長)へ存在が伝えられたという。調整会議の正副議長が音声データについて知ったのは同日夜だった。
新里顧問は19日の会議後、「皆に話すべきか迷った。午後7時過ぎごろ、名前が挙がっていた候補者への要請が一段落して話し合いをしているときに報告した」と語った。
玉城氏は、音声データの存在が報道された際には、後継候補者について人選が進んでいることを指摘して出馬を否定していた。調整会議が手続きを白紙に戻し、全会一致で要請したことで前向きな姿勢に転じた。