県知事選 きょうから「3日攻防」
【那覇支社】第13回県知事選挙は、27日から「3日攻防」に突入する。30日の投開票に向け、前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=と、新人で「オール沖縄」側が推す前衆院議員の玉城デニー氏(58)が「県民所得300万円実現」「米軍普天間飛行場の早期返還」、「誇りある豊かさ」「普天間飛行場の辺野古移設阻止」などを掲げ、選挙戦の最終盤で猛烈な追い込みを掛けている。残り3日、両陣営とも票の掘り起こしで支持の拡大を図る。
知事選は、玉城氏と佐喜真氏が事実上の一騎打ちで激しく競い合っている。元那覇市議で琉球料理研究家の渡口初美氏(83)、元会社員の兼島俊氏(40)も立候補している。
「3日攻防」直前の26日、佐喜真氏は、那覇市の県立博物館・美術館前でマイクを握り、「政府との交渉など宜野湾市長時代に培ってきた経験を、県民のために役立てていきたい」と支持を呼び掛けた。
その上で、「沖縄の未来が決まる重要な選挙だ。米軍基地の整理縮小、日米地位協定の改定は、誰ができるのかを考えながら投票してほしい」と訴えた。
また、「普天間飛行場やキャンプキンザー、那覇軍港を含めた返還跡地は、沖縄にとって大きな宝になる」と指摘。「基地の整理縮小も実現して、その跡地をダイナミックに、そしてグローバルにアジアを巻き込むような経済圏の素地をつくっていきたい」などと政策を訴えた。
玉城氏は、宜野湾市などで街頭演説し、「翁長雄志知事の遺志をしっかり受け継ぎ、普天間飛行場の閉鎖・返還を日米両政府に強く求めていく。辺野古に新基地は造らせない」と辺野古移設に反対する姿勢を強く打ち出して訴えた。
また、子どもの貧困問題解決に向けて、「アジアのダイナミズムを取り入れ、そこで得られた原資、利益を県民の生活に循環させていく」と福祉政策などについて演説した。
このほか、小学校にクーラーを100%設置することや、中学高校生のバス料金無料化などを公約に、「平和と経済と暮らしを今以上により良くするために力を与えてほしい」と支持を求めた。