嵐の中、支持訴え/知事選
県知事選あす投開票/佐喜真、玉城氏が集会
【那覇支社】第13回沖縄県知事選が投開票される30日まで、あと1日となった。台風24号が接近するなか28日、保守系で前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)=自民、公明、維新、希望推薦=と「オール沖縄」側が推す前衆院議員の玉城デニー氏(58)の両陣営は、それぞれ集会を開催して懸命に支持を訴えた。台風の影響で、29日は沖縄本島で屋外の選挙活動が難しいと予想されるため、両候補とも演説に力を込めた。県知事選には元那覇市議で琉球料理研究家の渡口初美氏(83)、元会社員の兼島俊氏(40)も立候補している。
県民の暮らし最優先/佐喜真淳氏
私は、責任ある政治家として今の沖縄県をしっかりとあるべき方向に導いていかなければならない。そういう強い使命感を、この度の知事選で実感した。
県民の暮らしが最優先。沖縄は観光を中心に大きく大きく飛躍的に伸びてきた。インバウンドも含め、1200万から1500万人の観光客が沖縄に訪れることが予測される。観光は沖縄のリーディング産業だ。中小零細企業を含め、多くの企業の皆様方にも私は発展する沖縄をつくる。
沖縄の子供たちのうち、10人に3人は貧困家庭といわれている。大学進学率や非正規雇用率の問題を解決するためには、県民の所得を上げる必要がある。
県民の所得は、全国最下位。これだけ沖縄が豊かになったにも関わらず、県民の所得は212万円。全国の平均は319万円。一緒になり、県民の所得を300万円まで上げる努力をしよう。
佐喜真頑張れ、佐喜真負けるな、県政奪還をしっかりやれという声が来ている。必ず私は頑張り抜いて、ふるさと沖縄のために、誠心誠意、知事として頑張っていきたい。
過去は変えることはできない。歴史から学び、歴史をしっかりと認識して未来をつくっていく。あと3年半もすれば、沖縄は復帰から半世紀。先輩方の苦労を忘れず、沖縄をダイナミックにグローバルに成長させなければならない。
対立や分断、争いは何もつくれない。みんなで、県民が一つになって未来をつくっていく、それが今回の知事選挙だと思う。
米軍基地を返還してもらい、嘉手納以南の1000ヘクタールの跡地を未来の財産としてグローバルに開発しよう。未来が問われる選挙、県民の暮らし最優先、対立から対話。未来を県民で一丸となってつくろう。
ぶれない県民と歩む/玉城デニー氏
今回の県知事選で私たちが、しっかり考えなければならないのは、沖縄の明るい未来を描けるのはどの候補者かということだ。翁長雄志知事の遺志をしっかり受け止め、「21世紀沖縄ビジョン」「アジア経済戦略構想」2大政策を実現し、県民のため、そして子ども達の将来ために、ダイナミックな経済の「うねり」を吹き込んでいく。その経済の循環によって得られたもので「沖縄の優しい社会」をつくっていく。
翁長知事が訴えた「誇りある豊かな沖縄」の実現は、今まで基地に土地を奪われ、それでもなお、自分たちの尊厳や権利を守って来た沖縄の人々の心にあった。翁長知事の政治のバックボーンにあったものは、保守も革新も互いに尊敬し合い、信頼し合うことで、その誇りを示した。
「イデオロギーよりもアイデンティティ」ということばで力強く、その真意を表した。イデオロギーの対立があっても、うちなーんちゅの根底には、アイデンティティという誇りがあるのだと。今、本当に沖縄らしいものをつくっていくということで、永遠に輝き続ける沖縄をつくることが、私たちの求める沖縄のアイデンティティの姿そのものだ。
私はうちなーんちゅの「チムグクル」を大事にし、新時代の沖縄をつくっていきたい。だからこそ、私たちは確認する。沖縄に新たな米軍基地は必要ないのだと。辺野古新基地建設は体を張ってでも止めるのだということを。戦争で奪われた普天間基地を返還するのは当たり前のことで、沖縄に返すのが道理だ。安全な空を取り戻すのことは道理以外の何ものでもない。私は「ぶれない県民」とともに歩む。どうか、県民と共に歩む県知事を選んでほしい。玉城デニーに力を貸してほしい。一緒に手を取り、笑顔の未来をつくろう。