圃場整備率が6割に/宮古農業基盤
かんがい整備率は63%
県宮古農林水産振興センター農林水産整備課はこのほど、宮古地区の2017年度農業基盤整備状況(実績見込み)をまとめた。圃場整備率は前年度比1ポイント増の60・6%と要整備量の6割に達している。畑地かんがい整備率は63・6%。各地で作業効率を高める農地の集約化が進んでいる。
圃場整備は、農地の集約化に伴う効率的なかんがいの充実が狙い。いびつな区画を整えて収穫・生産物の運搬路を確保し、農業用機械の作業効率も高める。
さらに、スプリンクラーなどのかんがい設備を整然と設置して水利用農業を促進することが可能だ。
以前は受益者負担が生じることから事業の導入を渋る農家もいた。だが、現在は地下ダムの水利用効果でほとんどの農家が導入を望んでいるという。
県がまとめた実績見込みによると、宮古島市の圃場整備状況は要整備量の1万17㌶に対して5918㌶を整備(59・1%)、多良間村は要整備量645㌶で548㌶(84・9%)の整備が完了している。
畑地かんがいは市が要整備量1万793㌶のうち7382㌶(68・4%)、村は要整備量983㌶のうち102㌶(10・5%)の整備を済ませている。
地区全体の水源整備率は79%。市が83・1%で村が34・8%となっている。
農林水産整備課によると基盤整備に伴う資産価値を重視する傾向が強まっており、圃場整備に対する農家の理解は進んでいる。農家対象の説明会でも「いろいろな意見は出る」としながらも、総論として整備を求める声が多いという。
ここ数年は、伊良部地区で水を待ち望む声が大きくなっている。伊良部への農業用水は、建設中の仲原地下ダムから宮古吐水槽、伊良部大橋を経由して伊良部の牧山ファームポンドへ送られるという計画だ。実際の圃場への散水は21年度以降になるとみられる。
宮古地区全体で水利用の効果は広まっており、これに伴う圃場、かんがい整備は予算規模に応じて着々と進められる見通しだ。