品質の低下懸念/サトウキビ
葉の裂傷、塩害など
相次ぐ台風の接近に、サトウキビを栽培する農家の懸念が広がっている。風が吹く方向が前回の台風と同じであるため、茎が吹き起こされて根が揺らぐという心配はなさそうだ。ただ、葉の裂傷や塩害は避けられそうにない。少なからず品質の低下が予想される。
製糖各社の農務担当者は「前回と同じ方向に吹いている台風なので大きな被害はなさそう」と見る。「もし風が逆に吹いて、キビが起こされていたら大変なことになった」と話した。
一方で、葉が裂けたり、台風通過後の塩害を警戒する。葉の裂傷、塩害ともに品質の低下を招くためだ。
宮糖は「前回に続いて今回の台風でまた葉が裂ける。品質には影響してくる」と話し、9~10月に台風が接近すると最終的に品質が下がる傾向を根拠に挙げた。
沖糖は「塩害が一番心配だ。塩害が出ると生育の鈍化につながる。青葉がないと光合成ができず糖分を溜め込めない」と話し、台風通過後の生育を懸念した。
今後の対応としては、各社ともに被害の軽減及び生育促進に向けた適度なかん水作業を呼び掛けた。
続けざまの台風に農家の心配も募る。城辺地区さとうきび生産組合の砂川明寛組合長は「風が同じ方向だからほっとする部分もあるが、いずれにしても被害は出るだろう」とため息をつく。前回24号のダメージも挙げて、「(収穫時期まで)あと3カ月でどこまで回復できるか。その点が心配だ」と話した。