台風25号キビ被害2100万円
24号と合わせ1億3100万円に/市、糖度低下懸念「除塩を」
市農林水産部は5日、台風25号によるサトウキビの被害状況(速報)を発表した。それによると一部の圃場で葉の裂傷や潮害による被害が見られたが、被害額は約2100万円に留まった。前週の台風24号の被害額1億1000万円と合わせると1億3100万円。同部は「青葉の回復が1カ月程度要すると見られ、糖度の低下が心配だ」とし、特に海岸道路周辺に圃場がある農家には、早期に葉についた塩分を取り除くための散水を呼び掛けた。
市農水部によると、25号は24号とほぼ同じ進路で接近、風向きも同様に北西から西北西に向かって吹いたほか、吹き返しも無かったため新たな損傷被害はほとんど見られなかった。
全体の収穫面積に対する被害率は0・31%。圃場からの土の流失などは確認されなかった。
製糖各社が今年7月に調査した2018-19年産サトウキビの生産量は、29万7000トンを見込みほぼ前期並み。
ただ、調査結果は7月10日に直撃した台風8号前の数値で、また今回の二つの台風の被害が加わる11月の調査結果次第では、年内操業に影響が出る可能性もある。
被害報告の会見で同部の松原清光部長は「10月台風は生産量に響く。二つの台風で葉の裂傷や潮害の被害が気になるところ。そこら辺を見ながら製糖時期も微妙になるのではないか」と見通しを話した。
キビ農家に対しては「散水曜日を厳守し、適正利用で葉についた塩分を取り除いてほしい」と呼び掛けた。
一方、野菜は路地栽培のオクラが強風による茎の折損や、果実同士がこすれるなどの被害が見られ、被害額は約百万円。出荷も20日程度停止すると見込んでいる。
オクラは前週の24号でも300万円の被害を受けている。
被害調査は県、市、JA、製糖工場が当たり、被害報告は市役所上野庁舎で松原部長と松原直樹農政課長が記者会見し発表した。
台風25号による農作物の被害状況は同日、県に報告した。