翁長前知事の冥福祈る/那覇市で県民葬
参列者ら別れ惜しむ/県内外から参列者3000人
【那覇支社】沖縄の振興発展と福祉向上、基地問題の解決等に尽力した故翁長雄志前知事の冥福を祈る県民葬(実行委員会主催)が9日午後、那覇市の県立武道館で執り行われた。菅義偉官房長官や玉城デニー知事、宮腰光寛沖縄担当相をはじめ、県内外の招待客と一般参列者ら約3000人(主催者発表)が、翁長氏の功績をしのんだ。
翁長氏は那覇市議、県議会議員を歴任した後、那覇市長や県知事として沖縄の振興発展や福祉、特に基地問題では米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を掲げ、基地負担の軽減に尽力した。8月8日、膵がんのため死去した。
式辞で玉城知事は、県政運営の柱に掲げ取り組んだ辺野古への移設阻止について「国と対峙しながらも沖縄の民意を訴え続け多くの県民の共感を得た」と、その功績をたたえた。さらに「県民は遺志を引き継ぎ、明日を担う若者たちに平和で豊かな誇りある沖縄を託せるよう、一丸となって努力し続ける」と述べ、さらなる県政発展を誓った。
菅官房長官は、安倍晋三首相の追悼メッセージを代読。その中で、「翁長前知事は命がけで沖縄の発展に尽くされた」と功績に敬意を表した上で、「政府として翁長前知事の思いをしっかりと受け止め、基地負担の軽減に向けて、一つ一つ確実に結果を出していく決意だ。県民の気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興、発展のために全力を尽くす」と語った。
代表献花の後、前知事の長男、翁長雄一郎さんが「父は生涯のすべてを政治と共に生きてきた。那覇市長として市民のために尽くし、県知事として沖縄のため、日本のためと信じて日々の政治にまい進した。最後は残念ながら病に倒れたが、常々『人生に悔いはない』と言い続けていた。生涯を悔いなく走り続けてこれたのは、父と関わってくださった方々のおかげです」と謝辞を述べた。
その他、那覇市の城間幹子市長や、友人代表として呉屋守將金秀グループ会長が弔辞をささげた。