キビ塩害、一部で顕著/台風被害
葉の変色広がる
台風の塩害が、一部のサトウキビ畑で顕著に表れている。平良狩俣や下地与那覇の圃場では、サトウキビの葉が茶色に変わり、枯れたような光景が辺り一面に広がっている。品質に与える影響が懸念される。
台風は先月28~29日と今月4~5日、相次いで宮古島に接近した。この台風の影響でサトウキビは横倒しになり、葉が裂けるなどの被害が各地で相次いだ。
台風通過後に葉の変色という形で表れる塩害は、島の西側の海岸近くの圃場で広がりを見せており、平良の狩俣や下地の与那覇の圃場では葉の大部分が茶色に染まっている。城辺の新城などでも程度の差はあるものの塩害を確認した。
塩害によってサトウキビが枯死することはない。ただ、葉が光合成の機能を失うため、新たな青葉の展開がない限り生育が一時的に止まる。青葉の展開に要する時間や、そのために必要な茎の体力を踏まえれば収穫時における品質の低下は免れない状況だ。
海岸の圃場に比べて、島の中央部における塩害は比較的小さかった。それでも葉が裂ける被害は各地で発生しているため、生育は少なからず鈍化している。
製糖関係者は「塩害が大きい地域があり、品質の低下が懸念される。今は青葉の展開を待つしかない」としており、適切なかん水を実施して早めに青葉を出すよう農家に促している。
市など関係機関が実施した被害調査では、二つの台風接近に伴うサトウキビの被害額は1億3000万円に及んでいるが、塩害は被害額に含まれていない。