砂川保「廃止」検討
市方針に保護者反発/説明会で存続求める声多く
宮古島市が砂川保育所を廃止する方向で検討を進めていることが日までに分かった。2020年度に廃止し、園児の新たな受け入れ先として上野こども園を指定するという。市福祉部が同日夜に開いた保護者説明会で明らかにしたが、突然の「廃止」案に父母や地域住民は反発。存続を求める声がほとんどで、理解は得られなかった。市は「決定事項ではない」として持ち帰り検討を約束した。
市によると、砂川保育所は1981年4月に開所している。2014年度まで市の直営だったが、15年度から3年間は民間事業者が運営した。ただ、17年度に民間事業者が撤退したため、直営に戻っている。園児数は人で、定員を満たしていない。
施設は築後37年が経過しており、老朽化が著しいという。部分的だがコンクリートの剥離や鉄筋の露出も見られ、今年度は漏水もあって少なからず保育に支障を来している。
市はこのような状況を説明して廃止の方針に理解を求めたが、保護者らは「なぜ住民の声をもっと聞こうとしないのか」と不満をあらわにした。
母親の一人は「要望してきた建て替えがあると喜んでいた保護者もいる」と残念がり、「保育所は地域に必要だと思う。何とか残せないか」と再考を促した。
これに担当課は「建て替えは考えていない」と現状の考え方を示したが、下地律子部長は「まだ決定事項ではない」と理解を求めた。
保護者らは、廃止後の受け入れ先に上野こども園を指定していることにも疑問を投げ掛けた。「上野に30人増えれば保育の質が落ちるのではないか」や、「陸自が来る。子供も増えて上野に近い砂川に集まるのではないか」と将来予測の分析を求める声もあった。
市の方針に賛同する声はなく、約40人の保護者は総じて存続を切望した。公募枠を拡大し、民間運営を促すよう求める声もあった。
市は今回の説明会で出た意見や提案を持ち帰って再検討する。年度内には耐力度調査も入れる。