行雲流水
2018年10月16日(火)8:54
【行雲流水】(サシバを守る)
日本自然保護協会主催の、サシバについてのセミナーは予定通り実施された
▼セミナーで久貝勝盛氏(宮古野鳥の会顧問)は、伊良部中学校のサシバ保護の歴史を語った。伊良部中学校は1981年県の環境教育モデル校の指定を受け、83年から、「サシバは友だちフォーラム」を開催するなど、学校・PTA・行政の連携のもと、保護活動を行い、サシバ密猟ゼロ達成に寄与した
▼山﨑亨氏(アジア猛禽類ネットワーク会長)は、サシバの保護は人間の住みよい環境の保護であることを強調、フィリピンでは地域をあげての取り組みが2年で密猟を根絶したこと、その過程で久貝勝盛氏が講演を行うなど協力したことも紹介した。遠藤孝一氏(NPO法人オオタカ保護基金代表)は、市貝町の環境がサシバの生息に良く、生息密度が日本一であることを説明、生態系の保全と地域経済の連動を図る構想を語った
▼東淳樹氏(岩手大学農学部講師)は、サシバの生態や渡りのルート等について、解明されていることの概要と、さらなる研究の必要性を語った。出島誠一氏(公益財団法人日本自然保護協会副部長)は、サシバの飛来数の減少と、特に開発による環境の悪化を懸念、「伊良部島・下地島サシバ森づくり構想」を提起した
▼サシバ俳句コンテストでは、応募作品の多様さ、豊かさが注目され、サシバ保護活動が同時に、心と創造力を育んでいることを示した
▼折しも、当日、約2500羽(宮古野鳥の会推定)が伊良部島に飛来し、サシバと保護者たちが楽しく交歓した。(空)