「東洋一」の砂浜無残/前浜ビーチ
台風で急激に侵食/景観一変、観光への影響懸念
「東洋一」といわれる与那覇前浜ビーチの砂浜が急激に侵食され、一部で地形が大きく変化している。台風の高波や強風で砂が運び去られたとみられている。関係者は景観が一変したことで観光への影響を懸念。「このままでは宮古島の財産が失われる」と危機感を募らせている。
同ビーチは近年、砂浜の侵食が進み岩の露出が目立っていた。このため、今年のトライアスロン大会のスイム競技では選手の安全面を考慮し、スタートとゴール地点を来間大橋側に移動して実施した。
しかし、9月に2週連続で宮古島地方に接近した台風24、25号の影響でさらに侵食が拡大した。
侵食箇所は、宮古島東急ホテル&リゾーツ前の砂浜から来間大橋側に向かって数十㍍に及び、深い所では約3㍍の侵食が確認されるなど絶壁が連なっているように見える。
過去にも、台風によって砂浜がえぐられ、防潮林のモクマオウ約65本が根こそぎ倒れるなどの被害が出ている。
このため、関係機関は土のう壁で応急措置をしたほか、砂浜の後背部の砂流出を防止する板壁を設置する対策を取った。
関係者は、台風で砂が戻ったこともあることから、侵食は台風の進行方向に左右されるものと推測している。
宮古島東急ホテル&リゾーツの吉井良介総支配人は、「利用者には申し訳ないが、自然のことなので何ともしようがない。それでも東洋一の砂浜を持つ前浜は、宮古島市全体の財産。それを守るためにも最大限努力したい。県や市などとも連携を図りながら対応していきたい」と話した。
同ビーチを海岸保全区域として管理している県宮古農林水産整備課は、侵食の状況は確認したと言い「ホテル側が対策などについての動きがあれば、調整を図っていきたい」と述べた。