「農業に高い可能性」/実践総合農学会が宮古で大会
実践総合農学会(三輪睿太郎会長)の第13回地方大会が25日、JAおきなわ宮古地区本部農業情報管理センターで開かれた。同会に所属する会員らが来島し、農業関係者が抱える課題や振興について意見を交わした。新規就農者の確保をテーマにしたシンポジウムが行われ、マンゴー農家らが実践例を報告。基調講演で東京農業大学の菊野日出彦教授は「宮古島の農業は高い可能性を持つ。新規作物の導入による農業振興の可能性はある」と語った。
同会は、東京農業大学ならびに大日本農会と食、農、環境の実学に志をもつ学界・文化人などが発起人になって2004年に設立された。年2回の大会のうち、1回は東京で、1回は地方大会を実施している。昨年は石川県能登町で開催。佐渡島や屋久島などの離島地域でも開いている。
菊野教授は「宮古地域における農業特性と新規作物の導入による農業振興の展望」をテーマに基調講演した。宮古島の農業の特徴を紹介したほか、同大学で取り組んでいるヤムイモの研究を報告した。
主催者を代表して三輪会長は「地方大会では開催地によって内容が異なり、地方の特色を生かせる。宮古島の問題についてシンポジウムなどで宮古の方と大いに話し合いたい」と述べた。
来賓の下地敏彦市長は「農家人口の高齢化、新規就農者の確保、次世代の担い手の育成が重要かつ喫緊の課題。この地方大会によって、宮古島の農業のさらなる振興と地域発展につながることを期待する」と話した。
午後からはパネルディスカッション、座談会も開かれた。宮古総合実業高校の生徒による研究成果発表も行われた。会場には多くの農業関係者が集まり、報告に耳を傾けていた。