建築物着工届け出が急伸/市景観計画区域
3年前対比で3倍の勢い
大橋、下地島空港呼び水に
市の景観計画区域に係る建築物の届け出が急伸している。市都市計画課のまとめで、2017年度は154件、18年度は10月末時点ですでに110件を突破しており、3年前と比べて3倍の勢いだ。伊良部大橋の開通や下地島空港の再利用計画が呼び水となって本土資本が流入し、ホテルなど観光関連施設の建築物着工が急増。大型公共工事も相まって空前の建設ラッシュが続いている。
宮古島市で一定規模以上の建築物や工作物を建てようとする場合、市景観条例に基づいて事前の届け出が必要になる。新築、増築のほか改築や移転、修繕、模様替え、色彩なども制限の対象だ。宅地造成やリゾート開発も含まれる。
ゾーンごとに制限が設けられ、市街地に建築物を造る場合は延べ面積300平方㍍、高さが13㍍または軒の高さが9㍍を超えれば届け出の対象になる。
農地・集落ゾーンの高さは10㍍、海岸地域ゾーンにおいては面積、高さにかかわらずすべての建築物を届け出なければならない。
こういった景観計画に係る建築物の届け出が17年度に入って急増した。市都市計画課によると年度は53件、15年度は59件、16年度は68件と100件以内に収まっていたが、17年度は154件と一気に増えた。18年度も5カ月を残して117件と破竹の勢いで届け出が相次ぐ。用途は共同住宅が最も多く、ホテルなどの観光施設が続いている。
景観計画上、届け出を必要としない建築物を含めるとその数はさらに多い。
要因は、観光・リゾート地としての知名度の広がりが挙げられる。2015年1月に開通した伊良部大橋は無料で渡れる日本一長い橋として知れ渡り、爆発的な入域を呼び込んだ。急増する観光客を受け入れようと宿泊施設の建設は競い合うように進んでいる。
下地島の再利用計画も大きな起爆剤になった。来年3月には下地島空港ターミナルが開港し、成田-下地島を結ぶ直行便が飛ぶ。そのほかにも複数の路線就航が見込まれており、国内外から訪れる客層の受け入れを見越した投資が続く。
市都市計画課は「今後2年から3年は今の状況が続くのではないか」と当面の活況を予測している。