市営住宅120戸に温水供給/市EMS実証
太陽光発電の普及拡大へ
取り組みの現状など報告
宮古島市全島エネルギーマネジメントシステム(EMS)実証事業推進委員会(委員長・伊庭健二明星大学教授)の2018年度第1回が4日、市中央公民館大ホールで開かれた。委員4人と関係者らが参加。EMS実用化を目指し行われている太陽光発電(PV)エコキュート(電気式給湯器)普及事業や島しょ型スマートコミュニティ実証事業について事業実施事業者が取り組みの現状などについて報告した。
PVエコキュート普及事業とは、太陽光発電で得られた電気を利用してエコキュートで給湯することで、ガスで給湯するよりも安価で温水を利用できるというもの。事業者である宮古島未来エネルギーが県補助などを活用して設備を調達、所有してサービスを受ける需用家の敷地内に設置し、電気や温水を提供することで再生可能エネルギーの普及拡大を目指す。
委員会では宮古島未来エネルギーの担当者が、今年度は市営住宅40棟120戸へ、50度の温水を100㍑45円で供給したことを報告。2019年度からは戸建て住宅を対象に、太陽光発電やエコキュートで温水を提供するだけでなく、蓄電池も導入することで電力も提供。余剰電力があれば売電する予定であることなどを説明した。
島しょ型スマートコミュニティ実証事業とは、事業に協力している家庭や事業所に設置しているインターネットと接続するメーターでエネルギー使用量などを把握、管理することで電力需要の制御を行うもの。遠隔操作で太陽光発電やエコキュート、蓄電池などの制御を行うことができる。
委員会では事業者のネクステムズの担当者が、18年度事業として家庭エネルギー消費構造についてのアンケート調査やシンポジウムを実施するほか、これまでにシステムに蓄積されたデータの収集や評価、農業におけるEMSの効果検証などを行うことを紹介した。
全島EMS実証事業で導入が検討されている、市民から資金を募る市民ファンドについての説明も行われた。