砂川保育所 存続要請は「継続審査」/市議会文教社会委
施設の危険性など重視/耐震調査費用も認める
市議会文教社会委員会(平良敏夫委員長)は10日、休園が予定されている市立砂川保育所の存続を求める陳情を「継続審査」とした。施設の危険性などを重視して結論を持ち越した。同保育所の耐震調査関連費用を含む2019年度一般会計補正予算案は可決した。
補正予算案の審査では、砂川保育所の耐震調査関連費用450万円を認めた。
質疑では、2007年度に改築費が計上されていたことを指摘して、「なぜ今なのか。この間、建て替えの話は出なかったのか」と疑問を呈す委員がいた。
これに福祉部の下地律子部長は、これまで3回の大がかりな改修を実施していることを挙げて理解を求めた。07年度に改築を取りやめた理由については「(当時の)児童の入所率や、財政状況などのために先送りされた」と述べた。
耐震調査については「結果を見て今後のあり方を判断していきたい」とし、「廃止を前提とする休園ではない」と強調した。
存続を求める陳情の審査では、野党委員が「採択すべき」としたが、与党委員から慎重な意見が相次いで継続審査の形を取った。
野党委員は「急な理由で別の園に行くことへの戸惑いがある父母の要求だ。公立園の責務を果たす面からも要求に応えるべきだ」などと訴えて採択を求めた。
一方、与党委員も存続を求める住民の要望には理解を示した。「行政の取り組みが遅いこともある」と指摘して当局の対応を疑問視する声もあった。ただ、老朽化が著しい施設での保育継続の危険性を挙げ、「耐震調査の結果を見てから判断した方が良いのではないか」とした。一部の要望事項が砂川保育所に限らず、宮古全体にかかっていることも「違和感がある」として継続審査を求めた。
結果として同陳情は継続審査とすることを決めた。平良委員長は「委員会としの調査や聞き取りなどが実現できれば良い」との考えを示し、継続調査の必要性を強調した。
この陳情の提出者は砂川保育所の園児の保護者らで構成される「学区に子育て・教育環境を残す会」。要望事項は▽2019年度の砂川保育所の存続▽公立保育所に関する決定事項の見直し▽保育所は公立保育所とすること-など。