水源開発計画、前倒しへ/宮古島市
次年度調査に着手/ホテル等需要水量が増加
宮古島市が新たな水源開発を含む水道事業計画の前倒しを決めた。当初2025年度を予定していた福里北流域における水源開発の時期を早める。次年度から基礎調査に着手する方針だ。観光客の急増及びホテル等の建設ラッシュに伴って増える需要水量に対応する。13日の市議会12月定例会一般質問で、大嶺弘明上下水道部長が明らかにした。上地廣敏氏への答弁。
想定をはるかに上回る需要水量の増加を受けての判断だ。計画の前倒しについて大嶺部長は「平成29(2017)年度の1日当たりの最大配水量は3万1400㌧だったが、今後さらに需要水量の増加が見込まれる」との見解を示した。ホテル建設については「要求件数が48件で、1日当たりの要求水量は約4000㌧となっている」と述べた。
この現状を踏まえ、「次年度において現計画の前倒しを行い、安定供給につなげる必要がある」と強調した。
具体的には、観測濾過池の築造と福里北流域における水源開発を早める。大嶺部長は「このことで1日当たりの配水能力は3万7300㌧となり、取水及び配水能力の増加が図られることから、増加する需要水量には対応できる」と答弁した。
伊良部島での水源開発の検討状況にも触れ、「一括交付金を活用した調査業務を行っており、次年度も継続して調査する。その中でこれまで利用してきた施設や水源の水質、水量等を含めた調査を行いがながら伊良部島における水源確保の検討を進めたい」と述べた。
需要水量に増加に伴う市民生活への影響については「施設を造る際には、第一に周辺地域の市民に影響が出ないのかどうかを調査した上で施設に送る水量を決定している。今後も市民に不安を与えない水道行政に努めたい」と話して理解を求めた。
今月6日に可決、成立した改正水道法についても答弁し、「民間事業者に水道事業の経営権を委ねるコンセッション方式を導入する予定はなく、直営で運営を継続する」と述べた。
この日の一般質問には上地氏のほか、仲里タカ子氏、粟国恒広氏、砂川辰夫氏、高吉幸光氏の4人も登壇して市政全般をただした。