機械刈り 独禁法に抵触か/サトウキビ
公取室が口頭注意/運営協 統一4500円を解消
サトウキビの機械刈り料金が独占禁止法に抵触する恐れがあるとして、宮古地区ハーベスター運営協議会が沖縄総合事務局公正取引室から口頭注意を受けていたことが分かった。1㌧当たり4500円に統一している料金が競争を制限しているという指摘を受けたものとみられる。これを受けて運営協議会は統一料金を解消。今後は生産法人の裁量で料金を設定することができる。ただ、今期は従来の4500円が水準になるという見方が強い。
今年5月、運営協のメンバーや事務局の担当者が公取に呼び出され、口頭で注意を受けたという。
関係者によると、4500円という料金を申込書等に明記すること自体が独占禁止法に抵触する恐れがあるという指摘だった。
今回の口頭注意については宮古島市など関係機関も把握しており、市は12日にあった市議会一般質問の中でこの問題に触れた。
説明によると、統一料金設定は一定の取引分野における競争を実質的に制限することや、事業者の機能及び活動を不当に制限することになり、独禁法違反になる恐れがあるとして口頭注意があったとしている。
また、「今後は、生産法人が独自の作業料金を設定するよう指摘している」という指導内容を公取見解として示した。
沖縄総合事務局公正取引室は14日、本紙の取材に対し、公表義務はないとした上で、「否定もしないし肯定もしない」とした。
一方、地区ハーベスター運営協議会は同日午後、与那覇武会長と宮國明雄副会長が取材に応じ、口頭注意があった事実を認めた。
注意を受けて以降、さまざまな分野に及ぼす影響を考慮して断続的に協議を重ねたといい、今後は「協議会として作業料金の設定を行うことはない」と口頭注意に従う意向を表明。「料金は各生産法人の裁量に任せていく」とした。
今回の公取注意で、機械刈りの料金は約140ある生産法人が独自に設定できるようになった。だが、法人にも戸惑いがあり、1㌧当たり4500円という料金を変更するという生産法人は現状見当たらない。
原則として自由競争の原理が適用されるが、当面は4500円の料金設定になるものとみられる。
生産者の高齢化に伴う労働力の減退で、サトウキビの機械刈りは年々増加している。今期の申し込みも90%を超えている状況だ。