県民投票予算を削除/市議会
与党の賛成多数で/下地市長の再議も否決
宮古島市議会(佐久本洋介議長)12月定例会の最終本会議が18日に開かれ、議案の採決を行った。総務財政委員会で県民投票予算が認められず、同予算を削除した一般会計補正予算案修正案を審議した結果、与党などの賛成多数で予算削除を支持。下地敏彦市長から再議に付すよう求められ再審議を行ったが、同様の結果となった。
同予算審議の付託を受けた総務財政委員会では、県民投票予算として補正計上されていた1382万3000円を削除する修正案を可決。最終本会議で、同委員会の山里雅彦委員長が審査結果を報告した。
修正案に対し國仲昌二氏は「今回の県民投票条例は正当な手続きを経て県議会で可決したもの。県民に与えられた辺野古埋め立てについて意思表示をする権利を奪うべきではない」。上里樹氏は「地方自治法の規定により県から委託された県民投票の機会を市民に補償すべき」などとして修正案に反対の立場を示した。
それに対し高吉幸光氏は賛成の立場から「辺野古の問題は普天間基地のことも抱えた問題。辺野古の問題だけを問うことは非常に無理がある」と主張した。
賛否が分かれたことから一般会計補正予算案の修正案について挙手による採決を行った結果、賛成多数で可決された。
下地市長からの再議を求められた市議会は再審議を実施。棚原芳樹氏は「(県全体で県民投票に掛かる)5億5000万円の予算を県民投票に投入するのではなく、子供の貧困対策や福祉に当てた方が良い」。濱元雅浩氏は「極めて政治的な課題。県知事が責任を持って国と交渉して解決すべき問題」などとして修正案に賛成意見を述べた。
仲里タカ子氏は「沖縄の若い人たちが沖縄の未来をみんなで考えようと運動を起こし、署名を集めて県議会へ条例制定をお願いしてきた経緯がある。意見を述べる機会を与えてほしい」として修正案に反対した。
再び挙手採決を行ったが1回目と同様に賛成多数で修正案が可決された。