アラフ遺跡を文化財指定へ/城辺新城
保護審議会 梶原会長が答申
城辺新城の史跡「アラフ遺跡」が市指定文化財に認定される。市文化財保護審議会の梶原健次会長が20日午前、宮國博教育長に「文化財に指定し、遺跡の保全と周知を図るべきだ」と答申した。県宮古合同庁舎の掲示板に告示され、異議がなければ28日、正式に確定する。
同遺跡は市所有の海岸保安林で5万827平方㍍のうち、3万4000平方㍍が指定範囲となる。
同遺跡の時期は2800~1900年前で、宮古島東部の新城海岸砂丘地に形成された無土器期の先島先史時代後期(縄文時代晩期~弥生時代)遺跡である。
梶原会長は「世界的にも類を見ない異なる形状の4点の貝斧と枝サンゴ(ミドリイシ属の一種)が一括で出土された(貝斧埋納遺構)」と話し「出土状況から信仰や自然界崇拝など祭祀的な意味合いが推測される。当時の人たちの精神世界を探る上でも大変貴重だ」と同遺跡の説明をした。
宮國教育長は「出土品が道具だけじゃなく、人々の生活や思考などもうかがえるのが興味深い。これからの研究に期待したい」と述べた。
元沖縄国際大学の江上幹幸教授が率いる同遺跡発掘調査団が2000~06年にかけて8次にわたり調査を実施した。
その結果、シャコガイ製貝斧やスイジガイ製とクモガイ製の利器、サメの歯を加工した製品、マガキガイ製小玉、食料品だと思われるチョウセンサザエやサラサバテイの貝殻、イノシシの骨などが出土した。
同遺跡は規模の大きさや出土品の多さから、先島史時代後期を代表する遺跡と位置付けられる。
貝斧埋納遺構の存在や保存状態が良好であることから、文化財的価値が高いと評価された。