「執行しない」と回答/県民投票
理由は「議会の議決」/県からの勧告に下地市長
下地敏彦市長が実施しない方針を示している辺野古米軍基地建設のための埋め立ての賛否を問う県民投票について、執行するよう求める県からの勧告への回答期限だった4日、市は従来と同様、執行しない考えを県に伝えた。同日、市役所平良庁舎で会見を開いた下地市長は判断理由として「市議会の議決」とこれまでと同じ理由を挙げた。
市は県に対し執行しない理由として、市議会12月定例会で県民投票予算案が総務財政委員会、本会議、本会議再議の計3回にわたり削除されたことを挙げ、「議会の議決は住民から選ばれた議員が判断したもので大変重い」との認識を表明。「大多数の議員が反対している中で市長としては県民投票関連予算を計上して執行することはできかねる」とした上で「議決を尊重して県民投票の事務は執行しないという苦渋の決断に至った」と説明している。
会見で下地市長は、結論に至った一番の理由として「議会の議決」を挙げた。県が今回の県民投票予算の執行は義務との認識を示しているのに対しては、地方自治法で「執行しなければならない」ではなく「執行できる」とされていることから「執行するかしないかは市町村長の判断によると理解している」と語った。
県民投票実施を求める署名に市民約4000人が参加していることについては、そういう意見の市民がいることには理解を示すものの、市民の選んだ議員が予算に反対したことは大多数の市民が同じ意見と理解しているとの考えを示した。
現在の市議は今回の県民投票への賛否に関係なく当選したにもかかわらず、今回の議会の判断が市民の考えを反映していると主張することの疑問が呈されると「議員は地域の代表として意見を集約して持って来ている。選挙時に約束していなかったものは全部、県民投票をしなければいけないとなると市政の運営などできない」と反発した。
勧告に従わない場合、県は勧告より強い「是正の要求」を行う考えを示していることや、県民投票実施を求める市民らが投票が実施されない場合、市長のリコールや訴訟に言及していることなどの関しては、「出るかどうか分からないものには答えられない」と述べるにとどまった。