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旧暦:10月21日 赤口 己 
行雲流水
2019年1月8日(火)8:55

【行雲流水】(虹)

 新年に、虹をイメージした。空にあるのは、空気と水蒸気と太陽の光だけだが、青空があり、刻々に表情を変える夕焼けがある。そして虹が出る

▼虹は、空中にある水滴に太陽光があたり、その内部で屈折と反射することで生ずる。虹が色分けするのは、水滴内での屈折率が光の波長によって異なるからである。色の並び方は外側から、波長の長い順に赤・橙・黄・緑・青・藍・紫と並んでいる

▼人は、色によって感情や連想を引き起こし、一定の意味を受け取る

▼赤は体内を流れる血の色であり、燃える情熱である。ゴッホは色を求めて旅に出て、一瞬だけ見られる硫黄のような黄色い空を見て震えた(「NHKプレミアム」)。植物の緑の葉緑素は太陽の光エネルギーを受け、根からの水と空気中の二酸化炭素を材料に光合成を行い、でんぷん等の有機物をつくり、生物の生存を支えている。空の青さは、人を平和で穏やかな気持ちにさせる。メーテルリンクの「青い鳥」は幸福の象徴である。紫は、尊厳と品格を感じさせ、古来、冠位・官服の最上位におかれた。そして、すべての色相を含む太陽光(白)は多様性(スペクトル)を統合する

▼聖書の創世記によれば、虹は、神がノアの洪水の後、再び生物を絶滅させないという契約のしるしである。宮古では虹はティンパウ(天の蛇)である。童謡の「鯉のぼり」には「もも瀬の滝をのぼりなば、たちまち竜になりぬべき」とある。宮古の蛇もがんばって竜になってほしい

▼「元旦に朝虹出でし夢がわく」(山田富子)。(空)

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