製糖工場、再開できず/宮古島地方
長雨にうんざり/市民「洗濯物乾かない」
宮古島地方は年末から雨が続いている。日照もほとんどない。伊良部島の製糖工場は先月29日から圧搾を止めたままで、再開しようにも降り続く雨に打つ手なしの状況だ。市民は洗濯に手を焼き、市内にあるコインランドリーの利用率は年末から急上昇している。気象台の予報では、今後も13日まで晴れの日はない。
雨は先月24日から年明け3日まで毎日降った。4日はゼロだったが5、6両日は再び雨。7日を挟んで8日もずっと雨が続いた。
降水量は今月24日からの11日間で145・5㍉を観測した。前年の同じ時期は2㍉しか降らなかった。
雨続きに伴って日照もほとんどない。先月28日から今月3日まではゼロ、4日にようやく3・7時間の日照があったが、その後は曇天や雨が続いている。
この雨は製糖工場を悩ませている。先月19日に操業を開始した宮古製糖伊良部工場は同29日から圧搾を止めたままだ。今はほとんどの農家がサトウキビを機械で刈っているが、この雨で機械が動かせない。このため工場に原料が入らず圧搾機を回せないという。
もともと4月上旬には操業を終える計画だったがすでに遅れが生じている。仮に5月まで操業を続けるとサトウキビの品質の低下を招きかねない。「早く再開したいがこの雨だ。どうしようもない」と工場側。早ければ10日にも再開したいとしているが、8日も降った雨に落胆し、「どうなるか分からない」とした。
一方、長雨は市民の生活にも影響が出ている。8日午後、市内のコインランドリーには洗濯物を乾かしたい市民が入れ代わり立ち代わり訪れた。この光景は年末からずっと見られる。
市内に住む女性は「毎日ではないが、この一週間で4回くらい来ている。乾燥機にかかる金額もばかにならない」と話し、長雨にうんざりした表情だった。
市内でコインランドリーを経営している男性は「例年の2・5倍ぐらいの売り上げがある。利用頻度が多いので、乾燥機の中に溜まるほこりをまめに掃除してお客さんを迎えている」と複雑そうに話していた。
コインランドリーの乾燥機は稼働しているか、乾燥し終わった衣類が入っている機械が多く、空いている乾燥機はまばらだった。
気象台によると、8日午後5時現在の予報で、13日まで晴れの日はない。しばらくはからっとした晴れ間は見られないじめじめした日が続きそうだ。