経営の質的改善が必要/沖縄開発金融公庫
人手不足テーマにセミナー
沖縄振興開発金融公庫による「経営力」向上セミナーが24日、市内ホテルで開かれた。同公庫融資第一部課長の慶田康成氏と融資第二部参事役の平良貴洋氏が講師を務め、「新たなステージに立つ沖縄経済~人手不足をテコに『経営力』向上を図る~」と題し講演を行った。
講演前、あいさつに立った沖縄振興開発金融公庫の喜納兼次郎理事は、県経済は拡大を続けている一方、人手不足が深刻な問題となている現状を説明。「この好景気をどう維持させるか、今回のセミナーで具体的に紹介したい」と語った。
講演で慶田氏は人材不足の問題について、人材確保に重きを置くよりも経営を質的に改善することが必要と指摘。まずは業務上の課題を洗い出し、働き手の目線でミスマッチを解消していくことが必要との認識を示した。
生産性を高める手段として省力化や省人化、合理化、簡素化などを挙げる慶田氏。労働生産性とは1人当たりの付加価値額であり、それは経常利益と人件費、減価償却費の合計を従業員数で割った値になると説明。「労働生産性を向上させるためには従業員数をコントロールしながら営業利益の増加を目指して」と語った。
平良氏は経営力向上のための手法の一つとして従業員満足(ES)経営」を挙げる。「従業員のモチベーションが向上すると生産性向上につながり、仕事の質が高まると顧客満足度向上につながり、リピーターの増加などさまざまな好循環が生まれ、業績の向上につながる」との考えを示した。
セミナー参加者は講演を熱心に聞き入っていた。