組踊の世界を発信/重文保持者が華麗に
初演から300年の節目/県文化振興会主催
組踊上演300周年を記念した2018年度県伝統芸能公演「重要無形文化財保持者等公演」(主催・県文化振興会)が9日、マティダ市民劇場で開催された。舞台では、古典音楽独唱や古典舞踊、組踊「二童敵討」などが上演され、会場に訪れた観客たちは歴史を積み重ねてきた沖縄芸能の魅力を堪能した。
組踊を前に、舞台では人間国宝の城間徳太郎さんが「本花風節」を独唱したほか、島袋君子さんは古典舞踊の「柳」を優雅な舞いで披露した。
今回の公演は、組踊の初演から今年で300年の節目を迎えたことから、最初に演じられた組踊である玉城朝薫作の「二童敵討」が上演されたほか、沖縄芝居の「棒しばり」も観客を楽しませた。
組踊を前にその楽しみ方が解説として紹介されたほか、舞台横には物語の流れや、せりふが字幕で示され観客たちは組踊の楽しみ方を学びながら物語の世界に引き込まれた。
「二童敵討」は、阿麻和利に滅ぼされた護佐丸の息子2人が、父親のあだ討ちを決意し、母親に別れを告げてその目的を達するまでの組踊で、観客たちは物語の展開を見守りながら琉球芸能史に残る作品に魅了された。
主催者あいさつで文化振興会の仲田美加子理事長は「今回は沖縄が誇る伝統の粋が集結している。伝統芸能の奥深さを感じるとともに、公演に懸ける意気込みと熱意を感じてほしい」とのあいさつを寄せた。
組踊は、1972年に国指定重要無形文化財、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録されている。