沖縄訪問「大きな一歩」/菅首相が帰任前に会見
普天間、振興策に全力
【那覇支社】17日に来県し、仲井真弘多知事との会談や県内視察を終えた菅直人首相は18日午後、嘉手納町の沖縄防衛局で帰任前の記者会見を行った。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設を「ベター」とする発言について、県外移設が最も望ましいとする県民世論は認識するが、早期の危険性除去や国際情勢を考えた場合、「辺野古案は海兵隊40%のグアム移転や嘉手納以南の基地返還など基地負担軽減につながるので、皆さんにも考えて欲しいという趣旨で申し上げた」と述べた。
会見冒頭、「今回の訪問は一つに私が沖縄について、どんなことを考えているのか知事はもとより県民に伝えたかった。もう一つは基地の問題や沖縄振興の観点から、この目で見たかったというのが目的だ」とし「議論を積み重ねることができる訪問になった」と成果を強調した。
17日の仲井真弘多知事との会談で、県外移設を求めるというのは「正論だ」とした発言について菅首相は、「知事の方が日米安保が重要なら日本全体で考えるべきとの発言があったので、正論であると申し上げた。本土復帰以降も米軍基地が返還されなかったという経緯を見ると、じくじたる思い、ざんきの念に堪えないところだ」と述べた。
その上で、「全国民の課題として受け止めなければならないと思っており、沖縄以外の46都道府県に向かって申し上げた」と述べた。
県民の声を直接聞かずに理解が得られるかとの問いに菅首相は、「総理大臣として考えを伝えることで大きな一歩になったと思う」と述べた。また、沖縄向け一括交付金について基地問題と経済問題は個別の問題として扱う趣旨を発言し、さらに、日米同盟は普天間問題のみで崩れることはない旨を述べ、安保、経済、交流など幅広い同盟関係にあることでオバマ大統領とも一致していると説明した。