中型導入を後押しへ/宮腰沖縄担当相
キビ振興で意見交換/製糖工場やFPなど視察
宮腰光寛沖縄担当相が16日来島し、操業中の製糖工場や農業用水を一時貯水するファームポンド(FP)などを視察した。市や製糖工場の幹部らとも意見を交わし、サトウキビの品種に合わせた中型ハーベスターの計画的導入の後押しや、製糖工場の特殊性に合った使い勝手の良い予算化へ向け、関係省庁と調整を図りながら進めていく考えを示した。
意見交換会で宮古製糖の渡久山和男専務は、第2期国営地下ダム事業で宮古本島の地下ダムと伊良部島の牧山ファームポンドを結ぶ農業用パイプラインが完成し、送水が始まったこと。4月1日からは牧山ファームポンドに設置する給水施設(Ⅲ型)を使って地下ダムの水を利用することが可能になることなどを挙げ「次は面整備やスプリンクラーが使えるようにしてほしい」と協力を求めた。
宮腰担当相は「キビは基幹作物。伊良部大橋効果で送水管がつながった。ここで進まなければ、農業の後継者も出てこない」などと述べ、基盤整備の早期実現へ知恵を出して取り組んでいく考えを示した。
渡久山専務はまた「産地パワーアップ事業(農産物の高品質・低コスト化、産地の維持・拡大等を推進し、農業の国際競争力の強化とともに地域の振興及び消費者の利益の増進を図る)」を活用して、働き方改革に対応していくことを説明。ただ、毎年補正予算で組まれることから継続事業としては難しいことを指摘し、使い勝手の良い事業化を要望した。
これに対し宮腰担当相は「サトウキビや製糖工場の特殊性に鑑みて、単年度ではなく、計画的であれば複数年度をまたいで活用できないか、農林水産省とも協議していきたい」と答えた。
キビの成長が早く、収穫が多い「農林33号」を市や製糖工場では推奨しているが、伊良部地区では2%など、各地区で普及率が低くなっているという報告を受けた宮腰担当相は「栽培面積の拡大に伴い、馬力のある中型ハーバスターに切り替えていかないといけない。せっかくの良い品種。機械対応できないから、普及が進まないことにならないよう計画的な導入を後押ししていきたい」と話した。
宮腰担当相は、みやこ下地島空港ターミナル竣工記念式典に出席するため来島。その後、伊良部島の農業関係施設などの視察を行った。
意見交換会は宮糖伊良部工場で行われ、長濱政治副市長や松原清光農水部長、宮糖の渡久山専務、伊良部工場の池間邦雄工場長らが出席した。