夢と感動ありがとう/元オリク協力会・平良さん
宮古キャンプ忘れない/引退のイチロー選手に感謝
米大リーグ、シアトル・マリナーズのイチロー選手が21日、現役引退を発表した。プロ生活は28年。日本球界で過ごした9年間のほとんどは宮古島キャンプで汗を流し、スーパースターの道を駆け上がった。地元関係者からは「夢と感動を与えてくれた」などとねぎらいの声が聞こえた。
宮古島オリックス協力会として、キャンプを支えた平良勝之さんは感慨ひとしお。会長を務めるホテルニュー丸勝のロビーには、倉庫に保管していた等身大パネルを設置。「イチロー選手、感動をありがとう」とメッセージを添えた。
21日はマスコミ関係者から第一報が入り、引退を知ったという。深夜の引退会見も眠い目をこすりながら最後まで見入った。イチロー選手が無名時代に、球団関係者らと食事に行ったこともあり、当時の写真を見返して懐かしんだ。
オリックスの宮古島キャンプは1993年に始まった。当時、イチロー選手はプロ2年目。94年には年間最多安打の210安打を放ち、日本球界をけん引する存在にまで成長した。
96年には日本一を達成。97年2月の宮古島キャンプでは、優勝パレードやオープン戦を行い、それぞれ1万人の市民らが足を運んだ。当時の試算では経済効果は35億円。宮古経済や観光に大きな影響を与えた。
2001年の大リーグ挑戦以降は2度来島。05年は故仰木彬さんの監督就任、06年はワールドベースボールクラシック(WBC)の調整を兼ねて訪れた。球場はマスコミやファンで埋め尽くされ、「イチローフィーバー」に沸いた。
平良さんは「すべては仰木監督のおかげ。良き師に恵まれたと思う」と目を細め、「イチロー選手には宮古島を第二の古里と思ってもらえればうれしい。宮古島のために何かやってもらいたい」と期待する。イチロー選手の記念碑建立を目指して、各方面に働き掛ける予定だ。