長時間空転し流会/市議会
上里氏の質問めぐり紛糾
一般質問できず途中終了
開会中の市議会(佐久本洋介議長)の3月定例会は一般質問最終日の27日、1番目に登壇した上里樹氏の質問内容をめぐり紛糾。長時間空転した結果、この日は午後4時に与党議員が議場に現れなかったことで定足数に達せず流会となった。この日の一般質問には上里氏のほか3氏が予定していたが、できずに途中で終了した。佐久本議長は「28日には正常化を図りたい」と述べた。
今回の問題の発端は、下地敏彦市長が上里氏の質問について事実誤認があるとし、謝罪と撤回を要求。上里氏がこれを拒否したことを受け、下地市長が議場から退席する姿勢を示した。
市長や執行部が議場から退席する異例の事態になるかと思われたが、与党議員が休憩を求めて、再開に向けた調整を図ったが、結果的に不調となり流会となった。
下地市長が問題視したのは、今月4日に陸上自衛隊宮古島駐屯地に配備される車両が平良港に陸揚げされた際の市民の抗議行動に対する市側の対応について上里氏が指摘した質問だ。
上里氏の「市役所は市民と丁寧に話し合うことも説明することもしなかった」とする主張に下地市長は「繰り返し説明はした」と事実誤認を訴えた。さらに上里氏の「市民を罪人扱いして排除した」との見解にも下地市長は「一切していない」と主張し、「職員の名誉のためにも謝罪と撤回を求める」と語気を強めた。
上里氏がそれを拒否したことから、下地市長は「退場しますよ」と言って、自席を立ち上がって議場から出ようとした。
与党議員の休憩要求で、下地市長が議場から出ることはなかったが、休憩中の議場外での調整では市長に同調して謝罪と撤回を求める与党議員と上里氏との溝は埋まることなく、平行線をたどって流会となった。
今議会は新年度予算が議案として提案されており、4月の新年度スタートを目前にして今後の議事運営は見通しが立っていない。
今後について佐久本議長は「(調整は)これからだが与党を説得して正常化を図りたい。議会は開催しているので市長が議会に出ないと問題になる。市長も出なかったらどうなるかは分かっていると思う」と話した。
3月定例会は、上里氏のほか、真栄城徳彦氏、山里雅彦氏、棚原芳樹氏の3人が一般質問を予定しているほか、新年度予算を含む提案議案の採決も残っている。