伊良部での滞在1年に
発見の奥平君も喜ぶ
国特別天然記念物コウノトリ
伊良部の佐和田地域で滞在中の国特別天然記念物、コウノトリ(コウノトリ科)の雄は27日でちょうど1年の節目を迎えた。カラーリング(色足環)の識別番号は「J0067」。日本で分布するコウノトリでは最も南限に滞在し、干潟の海の幸に依存して生活しているのは「J0067」だけとされる。全国の愛鳥家から生態が注目されている。
「J0067」は昨年3月28日、平良の池間島の鉄塔の天辺で休んでいるのが初めて確認された。池間小5年の奥平和真君=当時(11)=が、野鳥図鑑を手に鉄塔の下からこの鳥を見上げ、コウノトリと特定した。
数日後、コウノトリは池間島の南西に位置する伊良部島へ移動した。
6年に成長した奥平君(12)は「きょうまでいて良かった。ずっといてほしい」と語った。
佐和田自治会(川満光則会長)は昨年10月、滞在中のコウノトリをフルネームで「佐和田幸田」と命名し、特別住民票を交付した。
川満自治会長は「1年滞在の達成を祝福したい」と喜びを話した。
「J0067」が生まれた故郷は兵庫県豊岡市。同市にあるコウノトリ湿地ネット事務局の森薫さんが電話取材に応じ「宮古島で1年を迎え、おめでとう。早く花嫁候補が現れるよう祈っている」と話した。
コウノトリ 大型の水辺の鳥。体の大部分は白色で、翼の一部は黒色。くちばしは真っすぐに伸びて黒く、足は赤色。成鳥は体長約100㌢、体重4~5㌔。