上野の人口 568人増/4月1日現在
陸自、観光施設で急伸/城辺110人減で過疎化進む
宮古島市の人口が増えている。市のまとめで、2019年4月1日現在、前年の同じ時期と比べて545人増加している。特に上野地区の増加幅が大きく、568人増えた。陸上自衛隊宮古島駐屯地と、観光リゾート施設で働く人の住民登録が急伸したことが要因だ。一方で城辺では110人減少していることが分かった。過疎の流れが表面化し、都市化が進む市街地と相反する実態が浮かび上がった。
地区別に人口の増減を見ると、▽平良111人増▽城辺110人減▽下地3人増▽上野568人増▽伊良部27人減-。全体では545人増えており、17-18年の増加が2人だったことを踏まえると、この1年の増加幅の大きさが分かる。
外国人も増えており、平良では60人、上野では99人増え、全体的には166人増加している。建設現場や観光施設で働く実習生の住民登録が多いという。
上野地区の人口が急激に伸びた要因には、陸自駐屯地の完成とリゾート観光施設の充実が挙げられる。市によると、陸上自衛隊関係者で約450人増加。そのほか南西楽園リゾートで働く人が増えているため、上野地区だけで500人を超える人口増となった。
今回の人口調査は、人が都市部に集中している実態を裏付けた。平良では100人以上増えているのに対して城辺は100人以上減少。詳細な分析が待たれるが、自然減のほか住民の都市部への移動、若者の島外流出などが想定される。
爆発的な観光需要で活気に沸く宮古島市だが、視点を地域の人口に置き換えると課題が見えてくる。懸念される過疎地域の実態把握と対策が求められる。