津波よけ、豊年願う/城辺砂川
上比屋で「ナーパイ」/アーグやクイチャー奉納
津波よけを願う伝統祭祀「ナーパイ」が、旧暦3月初めの酉(とり)の日に当たる6日、城辺砂川地区の上比屋(ウイピャー)山とその周辺で古式にのっとって行われた。参加した女性たちは、ダティフ(和名ダンチク)を潮が上がる境界線に突き刺し結界とし、その結界から津波が上がって来ないように願った。円陣でクイチャーを奉納し、災害のない実り多い豊年に感謝した。
女性たちは、上比屋山の頂上部にあるマイウイピャームトゥの祭場に集まり、ナーパイ・アーグなどを唱えた。その後一列になって山を下りながら、古くから伝わる特定の場所にダティフを立てた。
海岸では輪になり、ユークイ・アーグ(豊饒を乞う歌)に合わせて踊りを奉納した。
女性たちが下山で儀式を執り行う中、祭場に残る男性たちは船をこぐ真似をして、津波がこの地を襲わないように願った。
祭祀を執行するうるか自治会長の饒平名健二さん(60)は「今後も若者たちに伝統行事を継承していく。ナーパイが無事終え、良かった」と笑顔で話した。
松元直美さん(52)は、孫の前里碧来さん(上野小3年)と當眞りおんさん(同)、孫の友達の砂川のぞみさん(砂川小1年)と一緒に参加した。松元さんは「孫たちが楽しそうだったので、とても良かった」と感想を話した。