研修医宿舎も整備/新宮古病院
医師、看護師の確保へ
施設の老朽化に伴い移転新築し、2013年5月に開院を予定している新宮古病院では病院の施設周辺に研修医宿舎を整備することが分かった。この医宿舎は、不足する医師、看護師などを育成し安定確保を図ることが目的で、研修に訪れた研修医や看護師などの宿泊施設として利用され、地域医療を学ぶための環境整備を図るとしている。
新病院の基本運営計画では、基幹型研修病院として医師の卒後臨床研修の教育研修機能を持つほか、琉球大学医学部やほかの県立病院等の協力病院としての役割も担うとしている。
また、助産師、看護師、医療技術員の研修および実習病院としての機能も有し、医師、助産師、看護師および医療技術員等を育成して安定的に確保していくための研修・教育機能を備えるとしている。
そのための教育環境充実の一環として、病院の近くに「研修医宿舎」を整備することとなった。
医宿舎の運用開始は新病院の開院と同時に行うとしており、工事着工は新病院の開院1年前の2012年5月ごろを予定している。
医宿舎の規模や予算額については現在調整中。費用は国の「地域医療再生基金」を活用し、実際に事業着工し予算が不足した場合は県の支出も予定している。
現在は建設場所の選定中で宮古島市にも協力を求め、新病院周辺で利用できる県有地や市有地を中心に検討している。
慢性的な医師、看護師不足の解消に向け、安谷屋正明院長は「医師、看護師、看護学生などが短期研修に訪れた際に寝泊まりできるような施設を設けていれば、宮古で将来的に看護師をやってみたい、医師をやってみたいと思ってくれる人が増えると思う」と医宿舎の効果に期待を寄せた。
さらに、「新しい病院では島で医療を行う医療関係者を育成することに力を入れていきたい。地域で医者として働きたいと思う人たちが地域の医療に触れ、県立病院と民間病院との関係など圏域の医療福祉の体系を理解し、学べる環境のモデルになればいいと思う」と述べた。