畜産農家支援を要請/宮古・八重山市町村会、県と県議会に
口蹄疫の影響深刻/防疫や経営対策求める
【那覇支局】宮古、八重山地区の市町村長で構成する「美ぎ島美しゃ市町村会」(会長・下地敏彦宮古島市長)は21日、県庁と県議会を訪れ、安里カツ子副知事と高嶺善伸県議会議長に要請を行った。20日に石垣市で開いた2010年度定期会議で、喫緊の課題だとして決議した「国内における口蹄(こうてい)疫発生に伴う畜産農家支援」を要請した。
防疫対策の強化に加え、畜産農家が安心して経営に取り組めるよう支援措置を講じ、経営維持が図られることなどを求めた。
要請行動には、下地市長のほか、下地昌明多良間村長、外間守吉与那国町長が出席。座喜味一幸氏、奥平一夫氏、辻野ヒロ子氏ら3人の県議が同行した。今年4月20日に宮崎県で発生した口蹄疫が拡大を続け、今月19日に同県で「非常事態宣言」が出されたことなど、同問題は発生地域のみならず各地に深刻な打撃を与え続けている。
同市町村会では、とりわけ離島地域における喫緊かつ重要課題と位置付け、侵入防止策の強化を確認し、畜産農家救済を重点に置いた県の支援策を早急に求めることで一致し、要請項目に盛り込んだ。
内容は①当面の支援策と競り中止を余儀なくされた畜産農家への飼料供給や経営維持の支援②県外購買者誘致の強力推進③月齢12カ月以上の子牛に対する輸送助成継続の国への要請④競り中止による借入金返済に対する融資、低利・無利子の貸し付け⑤口蹄疫終息まで、荷下ろしを鹿児島港から博多港に変更することと、終息後の先島航路臨時船の運航-の5項目。
要請を受けた安里副知事は「週明けには知事を本部長とする対策本部を設置する。皆さんの要請に応えられるよう関係機関の共通認識のもと取り組んでいきたい」と述べた。
また高嶺議長は「県内、とりわけ先島地域で、まん延すると大変な事態を生じかねない」と述べた上で、「要請内容については知事部局とも連携しながら、県議会としても国や県に対して前向きに働き掛け、早期の実現につなげる」と積極姿勢で臨むことを明言した。