屋良朝博氏が初当選/衆院沖縄3区補選
島尻氏に1万7728票差/辺野古反対を訴え
【那覇支社】玉城デニー知事の知事選出馬に伴い、空席となっていた衆院沖縄第3区の補欠選挙は21日、投開票が行われ、新人で「オール沖縄」陣営が推すフリージャーナリストの屋良朝博氏(56)=無所属=が7万7156票を獲得して初当選を果たした。新人で元沖縄北方担当相の島尻安伊子氏(54)=自民公認、公明、維新推薦=は5万9428票を得票したが、屋良氏に1万7728票及ばなかった。
当日有権者数は31万3695人(男性
15万4092人、女性15万9603人)で、投票率は43・99%。17年10月に執行された前回衆院選の54・05%から10・06ポイント下がり、参院選を含め、これまで県内で行われた国政選挙では過去最低を記録した。
今回の選挙で最大の争点となったのは、「米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題」だった。同問題に対し、屋良氏は「反対」の立場を、島尻氏は「容認」の立場を明確にしていた。今年2月に実施された県民投票と同様の結果が、辺野古地区を抱える名護市を含めた選挙区内で示される形となった。
屋良氏は「辺野古埋め立てを断固阻止する。普天間基地は即時に返還可能だ」などと訴え、「在沖米軍基地の不合理性」を主張して政策の柱にしていた。また、玉城知事の後任候補としてオール沖縄陣営から積極的な支援を受け、大票田の沖縄市、うるま市を中心に無党派層にも政策を浸透させた。
一方、島尻氏は辺野古問題に対し、「普天間基地の危険性除去のためにはやむを得ない」とする「容認」の立場を取り、沖縄担当相時代に「子どもの貧困対策」予算を獲得したことや、経済振興策などの実績、政府との信頼関係の強さなどを訴え、選挙区内首長などからの支持を受けたが及ばなかった。
屋良氏の当選は、辺野古埋め立てに「反対」の結果を県知事選や県民投票に続いて再度、政府に突きつけた格好となる。今夏に予定されている参院選挙への影響も注目される。