求人倍率 県内最高1.67倍/宮古18年度平均
4年連続で1倍超/好調な雇用環境裏付け
宮古管内における2018年度の有効求人倍率(年度平均)が1・67倍と過去最高を更新した。県内5地区の中で最も高い倍率だという。1倍超えは4年連続で、好調な雇用環境を印象付けた。一方で慢性的な人手不足の実態も浮かび上がらせた。宮古公共職業安定所(ハローワーク宮古、伊福美香所長)が26日、雇用の動きとして発表した。
有効求人倍率は、求職者1人につき何件の求人があるのかを示す指標。18年度は1年を通して高水準を維持し、19年1月には2・04倍まで上昇して県内で初めて2倍を超えた。
ハローワーク宮古によると、有効求人倍率の年度平均は前年度と比べ0・27ポイント上昇した。月間の有効求人数(年度平均)は1460人で、前年度より6・6%増加したが、月間の有効求職者数(年度平均)は872人と前年度比で10・8%も減少している。
新規求人数は年度計で6187人で前年度比396人(6・8%)増え、逆に新規求職申し込み件数は2862件と前年度より262件(8・4%)減った。
求人が増え、仕事を求める人が減るという雇用の動きが、年度計の求人倍率にそのまま表れている。
ハローワークは、管内の景気が雇用に反映されていると分析。観光が絡む宿泊業やサービス業で求人が伸びているといい、観光産業を中心とする景気の浮揚と雇用の密接な結び付きを倍率上昇の要因に挙げた。
今後の課題として伊福所長は、「さまざまな業種で求人は多いが、充足につながっていない」と話し、背景に建設ラッシュに伴う住宅事情があると指摘。住む場所がなく、島外から働く人を呼べないという現実問題を抱えているためだ。
こういった社会構造が慢性的な人手不足を生み出している。ハローワークは島内でのマッチングの強化を重視し、求人企業、求職者の双方に労働条件の見直し等を働き掛けてミスマッチの解消を図っていく。
18年度の就職件数は1590件。前年度と比べて146件減少している。県内就職件数が1552件、県外就職は38件だった。