「子どもの虐待防止」など議論/19年度沖縄振興拡大会議
【那覇支社】県内の市町村長、市町村議会議長と県幹部が一堂に会して沖縄振興や県内の課題を討議する「2019年度沖縄振興拡大会議」が26日、那覇市の自治会館で開催された。宮古島市の下地敏彦市長と佐久本洋介市議会議長、多良間村の伊良皆光夫村長と森山実夫村議会議長も出席した。
会議では、「子どもの虐待防止対策の推進に向けた取り組み」「次期沖縄振興計画における子どもの貧困対策」が議題となったほか、▽沖縄振興予算の確保▽男女共同参画の推進など-に向けた県の取り組みについても報告された。
政府は昨年12月、児童虐待を防止するために「子供家庭総合支援拠点」を22年度までに全市町村へ設置する方針を打ち出している。26日の会議では、同拠点について市町村が負担する分の運営費用(2分の1)へ県基金から支援することが示された。
児童相談所に市町村職員を短期間受け入れて研修を受けさせる取り組みや、児童相談所の職員を市町村へ短期間派遣する事例も紹介された。
子どもの貧困対策については、県が行う「就学援助の充実を図る事業」「放課後児童クラブの利用料負担軽減を図る事業」の期限が21年度までで切れるため、次期沖縄振興計画の重要施策に子どもの貧困対策を位置づける必要性も強調された。
下地市長は会議後、「子どもの貧困を解決するには、親の雇用を増やす必要がある。今、宮古は有効求人倍率が高く、生活保護を受けていた人たちが仕事を始めて生活保護費が減少している」「国と県は辺野古で対立しているが、それ以外の部分は(国との連携を)しっかりやらないといけない」などと語った。
伊良皆村長は「子どもの貧困は離島の小さな地域では表面には出ていないが、離島では教育の格差が無きにしもあらずだ。多良間村は一括交付金を活用した村営塾を開いているが、一括交付金が終わった場合に続けられるかということもある。今後も続けられるよう、県にも要望していきたい」と述べた。
同振興会議には、多良間出身の翁長俊英那覇市議会議長、伊良部出身の島尻忠明浦添市議会議長も参加した。