「大いに世界発信を」/文化庁で伝達式
パーントゥに認定書/ユネスコ無形文化遺産
【東京支社】ユネスコ(国連教育科学文化機関)無形文化遺産の登録認定書伝達式が27日、東京の文化庁で行われた。登録された「宮古島のパーントゥ」など8県10行事からなる「来訪神 仮面・仮装の神々」の保護団体の代表者らが参加。宮古島市からは下地敏彦市長、島尻自治会の宮良保会長、野原部落会の平良孝一郎会長らが出席した。同庁の宮田亮平長官は各団体に認定書を手渡し、「世界に誇る地域に根差した日本の伝統文化を、大いに世界に発信してほしい」と激励の言葉を贈った。
宮古島のパーントゥは、島尻の「パーントゥ・サトゥプナハ(里願い)」と、野原の「サティパロウ(里祓い)」を合わせた総称。古くから伝承される祭祀で、1993年に国の重要無形民俗文化財に指定されている。ユネスコの無形文化遺産には昨年11月に登録が決定した。
伝達式後、島尻自治会の宮良会長は「これまでは小さな集落の小さな行事だったが、これからは世界中の多くの人に、見てもらえるよう頑張っていきたい」と抱負を述べた。
野原部落会の平良会長は「素晴らしい認定書をいただき誇りに思う。この名に恥じぬよう私たちの地域で頑張って継承していきたい」と喜びを語った。
下地市長は「パーントゥはこれまで二つの地域で頑張ってこられた。これはある意味、宮古島の宝だと思う。これからも一生懸命、地域の支援をしていきたい」と強調した。
島尻の仮面をつけた来訪神は3体で、全身にシイノキカズラ(方言名キャーン)をまとって泥を塗り、つえを持って集落内に出現する。住民らに泥を塗りたくって厄除けし、無病息災や福を招く。
一方、野原のサティパロウでは、仮面をつけた男の子や小太鼓とホラ貝を演奏する子供が先頭を歩く。後ろからは女性たちが頭や腰に植物を巻き、小枝を手に持って続く。小太鼓やホラ貝の音に合わせ「ホーイ、ホーイ」と唱えながら集落を練り歩き、交差点では円を作り「ウルウルウル」と唱えて厄を払い、招福する。