3日間の出席停止に/市議会6月定例会
上里氏に懲罰科す
議長が退席命じる
市議会(佐久本洋介議長)の6月定例会が13日に開会し、3月定例会での発言が問題視されて懲罰特別委員会が設置されていた上里樹氏に対して、出席停止3日間の懲罰が決定。これに伴い上里氏は、この日の本会議と14日の文教社会委員会への出席ができなくなった。懲罰について、上里氏は「理由なき懲罰であり、議会史に汚点を残す重要な問題」と訴えた。
この日の本会議冒頭、懲罰特別委員会の高吉幸光委員長が、同委員会として上里氏の懲罰内容が「陳謝」となったことを報告。
採決の結果、賛成多数で懲罰内容は陳謝となり、上里氏に陳謝文の朗読が命じられたが「不当な懲罰」との理由でこれを拒否した。
これを受けて与党議員13人が懲罰動議を行い、新たな懲罰特別委員会が設置されて、上里氏に対する懲罰内容について協議が行われた。
同委員会では、議会で議決された「陳謝」を拒否したことが、議会軽視に当たるかどうかについて審議し、与党の賛成多数で懲罰に値するとの判断になった。
懲罰内容については、一定期間の出席停止処分にすることとなり、その期間については挙手による採決の結果「3日間」となった。
これを受けて行われた本会議では、特別委員会の報告を受けて行われた採決の結果、挙手多数で3日間の出席停止の懲罰を科すことが決定。
上里氏は、佐久本議長から退席を命じられて、議場から退場した。
賛成と反対の討論では、懲罰を科すことに賛成意見として「立場によっていろいろ考え方はあると思うが、その表現が議場に置いて適切だったかということがポイントで、壇上で発した言葉は不適切だと思う」との見解が示された。
野党側は「罪人扱いされたとする住民側の受け止めと、そんな扱いはしていないとする市側の見解の違いがあるのは理解できる。しかし、住民側の見解が市側の見解と違うから懲罰を科すことはあってはならない」と訴えた。
この問題の発端は、3月定例会の一般質問の際に、下地敏彦市長が上里氏の「市役所は市民と丁寧に話し合うことも説明することもせず、罪人扱いして排除した」との質問内容を問題視し、謝罪と撤回を要求。
上里氏がこれを拒否したことを受け、下地市長が執行部とともに議場から退席する姿勢を示した。
これで議場は混乱。与党議員の休憩要求で、下地市長が議場から出ることはなかったが、休憩中の議場外での調整では市長に同調して謝罪と撤回を求める与党議員と上里氏との溝は埋まることなく、平行線をたどって流会となった。
流会を受けて、与党側は「上里氏が一般質問で議会の円滑な議事の進行を妨げた」との理由で、懲罰特別委員会が設置されていた。