「吐水龍頭」見つかる/城辺比嘉
80年前に行方不明の石像
城辺の比嘉集落東方にある頂上からこのほど、約80年前から行方が分からなかった石造りの吐水(とすい)龍頭が見つかった。比嘉自治会の砂川雅一郎さん(70)が頂上で草刈り中に確認した。砂川さんは15日、「龍頭の古い写真を持っている方は連絡してほしい。原形の姿を確認したい」と呼び掛けている。
現在のウプカー(大泉)の古名は樋川と呼ばれ、樋川が比嘉部落の比嘉の語源とされる。
砂川さんは「大正7年生まれの父は、生前『大正時代に比嘉排水路トンネル工事を行う際に、工事現場付近に衛生的な飲み水がなかったため、樋川から臨時の水道管を通して水を利用した。その時に龍に似た石像は撤去されたようだ。湧水が流れる出口に石造りの樋があって、その樋の上に石像は置かれていたという』と話していた」と回想する。
同トンネル工事は1933(昭和8)年3月に着工され、37年7月に完成した。トンネルの長さは約1000メートル。完成後、吐水龍頭が元の位置に戻されることはなかった。
昔から龍は水をつかさどる神、シーサーは火を鎮める神としてあがめらている。
確認された吐水龍頭の鼻や口などは欠損。頭頂は龍をイメージしたウロコが刻まれている。材質は琉球石灰岩と思われる。高さ約35センチ、最大幅と横の長さともに約28センチ。重さ35キロ前後。製作者や製作年代などは不詳。
連絡先・問い合わせは砂川雅一郎さん(電話090・3075・1557)まで。