「宿泊税」導入棚上げ/宮古島市
県の先行理由に検討中断
宮古島市が、法定外目的税「宿泊税」の導入に向けた庁内検討を中断する。同税は市の看板政策の一つに挙げられるが、県が先行して同種の税を導入する方向で進めていることから議論を棚上げする。24日の市議会6月定例会一般質問で、平良敏夫氏の質問に友利克企画政策部長が答えた。
法定外目的税は、2017年12月議会で、下地敏彦市長が導入する方針を表明したことで議論が一気に加速した。市の庁内委員会で検討した結果、観光振興を踏まえて「宿泊税がより導入実現の可能性が高い」という結論を下している。
ただ、県が並行して法定外目的税の導入を検討。市と同じ宿泊税で、税率は1人1泊につき2万円未満なら200円、2万円以上の場合は500円を宿泊日数に応じて課税する税を導入する方向で進めている。
市は、この県の施策とかぶることや、10月予定の消費増税による社会生活への影響も考慮して議論の一時中断を決めた。一般質問で友利企画政策部長は「今後はこれらの動向を見据えた検討が必要であるとの結論に至った。本市における導入についてはいったん検討を中断する」と述べた。
平良氏は、県の宿泊税収入における市町村への配分額について再質問し、「使い道において規制や縛りはないのか」と問うた。
上地俊暢企画調整課長が答弁し、▽県と市町村で取り組む施策が重複しないよう調整を図る▽観光客や地域住民の満足度向上のため市町村へ税収配分する▽市町村の取り組みの充当にあっては、施設整備だけでなく、維持管理に関する費用にも充てられるようにすること-とする県検討委員会の提言内容を紹介した。
使途の自由度については友利企画政策部長が「県と市町村は協議を続けていくことになっている。最終的には市長が先頭に立って使い道については県と調整協議をしていく必要があると考えている」と述べた。