陸上のホープ 記録に挑戦
陸上界ではまばゆい輝きを放つ3選手が注目を集めている。長距離では瑞慶覧伸哉(宮高1年)、跳躍では川満郁弥(砂川小6年)、投てきでは本村夏鈴(多良間中3年)。種目は違えど目指す高みは一緒。果たして今年はどんな活躍を見せてくれるのか。記録に挑む3人のホープを紹介する。
跳躍競技、期待の新星/川満 郁弥(砂川小6年)
昨年8月、東京・国立競技場で開催された第26回全国小学校陸上競技交流大会の男子走高跳で優勝し、日本一の栄冠に輝いた。宮古勢初の快挙に地域住民をはじめ、陸上・教育関係者は喜びに沸いた。
大会では1㍍15から競技をスタートし、優勝を決めた1㍍45まですべて1回の試技でバーをクリア。大舞台のプレッシャーをはねのけ、強心臓ぶりを発揮した。
「風や助走、ジャンプの踏み切りなどすべてが良かった。ほかの競技の県代表選手が応援してくれたので自分の結果を出すことができた」と振り返った。
普段はバスケットボールに熱中している。身長171㌢の高さと抜群のバネを生かして、ダンクシュートを決めるなどバスケ界にとっても逸材だ。
中学でも陸上とバスケットの二足のわらじを履くつもりだ。川満は「今はバスケ中心の練習だが、中学では陸上にも力を入れたい。記録をどんどん伸ばしたい」と抱負を語った。
インターハイ出場目指す/本村 夏鈴(多良間中3年)
手登根隼人教諭の指導を受け、投てきの才能を開花させた。昨年8月、鳥取県で開催された第37回全日本中学校陸上競技選手権大会の女子砲丸投げに出場し、14㍍7の県記録を打ち立てた。県内女子初の14㍍台の快挙で順位も4位入賞を果たす活躍を見せた。
中学生として最後の記録会が3月に沖縄本島で開催される。「この記録会で自分の記録を更新してから高校に進学したい」と話す。
高校はスポーツの名門那覇西高校に進む予定。高校では砲丸はもとより円盤ややり投げなど多くの投てきに取り組む決意だ。
本村は「力のある選手が集まる学校。そんな環境にもまれて練習を積みたい。1年目から全国インターハイを目指していきたい」と意欲を示した。
高校在学中に、中学校で達成できなかった投てき種目での全国制覇に挑む。「何とか成し遂げたい。実力のある選手はたくさんいるけど、自分も負けないように頑張りたい」と新年の決意を話した。
5000㍍14分台目標/瑞慶覧 伸哉(宮高1年)
身長169㌢、体重47㌔。引き締まった体で疾走する姿は見る者を魅了する。昨年は1年生ながら5000㍍15分19秒という驚異的な記録を打ち立てて周囲を驚かせた。今年の目標は「14分台で走ること」を掲げる。
瑞慶覧は福嶺中在学時に大きく成長。3000㍍で8分55秒1の記録をマークし、宮古で初めて9分の壁を破る快挙を達成した。
その後、宮古高校に進学した瑞慶覧は才能を開花させて記録を伸ばし続けた。5000㍍はもとより、県高校駅伝では1区10㌔を任され、各校のエース級と競いながら堂々5位でフィニッシュ。記録は32分42秒だった。
今年の目標は5000㍍14分台、その先は県記録の更新を見据える。今年中には、宮古記録14分53秒44を更新し、高校在学中に14分34秒の県記録更新を狙う。
「自信はある。レース中盤で中だるみしてしまう自分の悪い部分を改善して1日も早く14分台を出したい」と目標を話した。
高校卒業後も「陸上を続けて大学では箱根駅伝を走りたい」と意欲を示し、県内長距離の各種目記録を塗り替える決意だ。