森田たもつ氏に賞詞/第14回平良好児賞授賞式
「細く長く書いていく」/関係者集い、次作にも期待
第14回平良好児賞授賞式・祝賀会(主催・宮古毎日新聞社)が22日夜、市内のホテルで開かれた。著書「蓬莱(ほうらい)の彼方(かなた)」(発行所・ボーダーインク)で受賞した森田たもつ氏(50)=本名・森田保、平良、歯科医師=に選考委員会から賞詞が手渡された。会場には、森田氏の家族や知人、関係者など多数が訪れ、花束を贈ったり祝杯を上げて受賞をたたえた。
表題作のほか「オールド・マーチン」、「メリー・クリスマスeverybody」、「ボタン」の計4作を収めた短編集が賞に輝いた今回の平良好児賞。授賞式では、宮古毎日新聞社の伊志嶺幹夫編集局長が「宮古の若者たちが森田氏の作品に触発され、各分野で逸材が輩出すること期待している」とする同社真栄城宏社長の主催者あいさつを代読した。
選考委員会の仲地清成委員は「特殊な舞台で人間の普遍的な問題を見つけ、綿密な構成と的確な表現でリアリティー感じさせた」などと講評を述べた。
松原清吉選考委員長から賞詞を、知人らから花束を受け取った森田氏は「受賞でき、大変うれしく思うとともに、これからのことを考えると身の引き締まる思い」との感想を示した上で「これからも一生懸命、書いていきたい。次回作についてはまだ未定だが、細く長く書いていきたい。それが宮古に文学の根を広げることにつながると思う」と抱負を語った。
祝賀会では、フロイデ合唱団による幕開けに続き、宮古島市文化協会の友利吉博会長の音頭で乾杯を行い、森田氏の受賞を祝福した。