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社会・全般
2019年8月1日(木)8:56

多良間島で初確認/ツマジロクサヨトウ

きび糖業振興会「警戒を」


ツマジロクサヨトウに食害された飼料用トウモロコシの葉(写真提供・さとうきび糖業振興会)

ツマジロクサヨトウに食害された飼料用トウモロコシの葉(写真提供・さとうきび糖業振興会)

 作物の葉などを食害するツマジロクサヨトウがこのほど、多良間島で確認された。国内では鹿児島県、沖縄本島北部での発生事例はあるが、宮古諸島での確認は初めて。31日に開かれた宮古地区さとうきび糖業振興会総会の中で報告があった。ツマジロクサヨトウは主にトウモロコシの葉を食害するが、国外ではサトウキビが被害に遭った事例もあるという。さとうきび糖業振興会では、警戒を強めるよう呼び掛けている。

 ツマジロクサヨトウの幼虫が新葉の葉鞘部などを食害する。摂食量が多いことで知られており、食害部には多量のふんが散在する。

 中米・ニカラグアの調査では、肥大期から成熟期のトウモロコシへの加害が55~100%である場合、収量が15~73%低下するという報告もあるという。今のところ県内の被害作物は飼料用トウモロコシのみ。

 多良間島における被害状況は、県宮古農林水産振興センター農業改良普及課多良間駐在と多良間村が確認した。JA宮古地区営農振興センターさとうきび対策室の担当者も現地に飛んで被害ほ場を調べた。

 現状では、トウモロコシ畑6ほ場のうち4ほ場で被害が見られるという。

 サトウキビでの被害はないが、ツマジロクサヨトウは軟らかい葉を好んで食害する傾向があるため、新植夏植えが被害作物になる可能性も否定できない。糖業振興会や県病害虫防除技術センターでは、ほ場を見回り、幼虫の早期発見に努めるよう呼び掛けている。

 ツマジロクサヨトウは南北アメリカ原産。2016年にアフリカ大陸で発生が確認された後、18年までにアフリカ中南部のほぼ全域に分布が拡大した。

 同年にはインド、スリランカ、バングラディシュ等の南アジアで発生。国内では7月3日、鹿児島県内で初めて確認された。

 ツマジロクサヨトウに関する情報は県病害虫防除技術センター宮古駐在(電話73・2634)、またはJAさとうきび対策室(電話72・1341)まで。


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