「発見時には早期の連絡を」/ツマジロクサヨトウ対策会議
国の防除対策など説明/農畜産関係機関が出席
【那覇支社】作物の葉などに食害を及ぼすツマジロクサヨトウが多良間村などで確認されたことを受け6日、国や県、市町村、JAなど農畜産物関係機関向けの対策会議が那覇市の那覇第2地方合同庁舎で開かれた。農水省の担当者らがツマジロクサヨトウの特徴や発生状況、今後の計画などを報告した。同省では、「害虫を発見した場合には、直ちに防疫所などの関係機関に連絡してほしい」としている。
同虫は、7月3日に鹿児島県で国内初の発生が確認されて以降、今月5日までに九州管内では福岡県を除く7県44市町村で確認されている。県内では7月9~12日に飼料用トウモロコシ、サトウキビ、水稲およびスイートコーンを栽培する農家の合計54ほ場を調査した結果、恩納村の1ほ場から同害虫2匹が発見された。
また、7月24日に多良間村で県普及センター駐在員から「疑わしい虫がいる」との情報があり、那覇植物防疫事務所で画像診断を行った結果、同村でも発生が確認された。翌25日に周辺の飼料用トウモロコシおよびソルゴー計8ほ場を調査したところ、57匹を4ほ場で発見している。同ほ場は、すき込みによって防除対策を行った。
同省は、被害に遭った飼料用トウモロコシは農薬散布を行っていなかったとして、農薬散布が予防につながるとの見解を示した。農薬については、「共同購入」を条件に2分の1を補助するとしている。被害が発生した場合には、刈り取りや、すき込みによって、まん延を防止できるという。
同省消費・安全局植物防疫課防疫対策室の古畑徹室長は「国内の発見が初めてだけに効果的な防除対策は確立されていないが、農薬散布などによって、まん延対策は図られると考えられる」と述べたほか、今年度中に「防除マニュアル」を作成・配布する方針を示した。
同省は、9月末までに県内160カ所で発生状況の確認調査を行うとしており、被害が懸念されているサトウキビについては、「(これまで)インドで葉鞘部の食害1件が報告されているだけだ」と述べた。
ツマジロクサヨトウに関する情報は県病害虫防除技術センター宮古駐在(電話73・2634)、またはJAさとうきび対策室(電話72・1341)、県農林水産部畜産課(電話098・866・2269)まで。