池間湿原の仮設道路着手/環境省
終了次第しゅんせつ工事
環境省沖縄奄美自然環境事務所(那覇市)が発注した国指定池間鳥獣保護区しゅんせつ工事に伴う仮設道路工事がこのほど、池間湿原で始まった。仮設道路完成後にしゅんせつ工事で開放水面を拡大し、渡り鳥の利用しやすい環境を確保する。
工期は2019年6月18日~11月29日までだが、秋の渡り鳥が飛来する前の9月中に工事を終える考え。今年度の工事費は2200万円を予定している。工事は6カ年継続を計画。
環境省によると、池間湿原は淡水性の湿原であり、国指定鳥獣保護区に指定されている。しかし近年、土砂の堆積や抽水性植物の繁茂により開放水面が減少。渡り鳥の利用しやすい環境を取り戻すため、湿原内の土砂等を取り除き開放水面を広げる保全事業を行うことを目的としている。
仮設道路は池間湿原野鳥観察台から一定距離の右側から直線に造り、先端部から左折する形で整備する。陸地に向かって見た場合はL字状の道路となる。長さ160メートル。しゅんせつ工事は180立方メートルを計画している。
環境省は、池間湿原の現状の課題について「特に渡り鳥等の利用率が高い池間湿原では、近年腐植土の堆積や抽水性水草・外来植物の繁茂等による環境の劣化に伴い、確認できる鳥類数が著しく減少している」と指摘している。
池間湿原は、池間島のほぼ中央部にあり、県内最大、宮古唯一の淡水湿原。湿原面積は約38ヘクタールあり、島の面積約290ヘクタールの13%を占める。
池間島に住む愛鳥家、松川浩さん(64)は「開放水面が大きくなると、渡り鳥もたくさん飛来する。今年の10月から楽しみ」と笑顔で語った。