市版「SDGs」議論へ/エコ推進計画検討委
持続可能な世界目指す/市民取り込み具体策練る
第1回エコアイランド宮古島推進計画検討委員会(砂川恵助委員長)が27日、市役所平良庁舎であり、今年度の取り組み内容について議論した。昨年3月に発表した「エコ宣言2・0」を「宮古島市版SDGs」として位置付け、市民を取り込んだ具体的な推進計画を練り上げていく。
SDGsは2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030年アジェンダ」に記載された16年から30年までの国際目標で、持続可能な世界を実現するために17のゴールを設定している。今回はSDGsに5ゴールを設定しているエコ宣言2・0をかぶせながら、市版SDGsの概念図のたたき台を示した。
また市職員間の議論で指摘があった現状の具体的課題についても列記。▽人口、交流人口増による地下水や海洋などへの負荷増▽上下水道、ごみ、エネルギー(電力等)、交通、観光地駐車場など人工資本への負荷増▽人工資本の増強は可能だが、将来予測が困難で投資回収のリスク▽クルーズ船は滞在時間が短く交通や観光地、店舗に需要が集中▽開発による森林減少や景観への影響▽地価高騰による市街地の無秩序な拡大、インフラの高コスト化▽マリンレジャーの漁業への影響-などを挙げた。発展の可能性としては1次産業と観光の連携や6次産業化、処理水に含まれる栄養素の活用を挙げている。
市が今年度実施するのはエコ宣言2・0とエコ推進計画の評価と新たな事業のエコ推進計画への位置付け。これまでの議論を踏まえ、課題を共有化する。地域経済の循環に関する分析も行い、新たなエコ推進計画を策定し、市版SDGsを示す。
会議では委員から建設ラッシュが続く島内の現状について「建物が増えれば電力需要が増える。エコと言いながら環境に負荷がかかる火力発電に頼っている」との指摘があった。市の担当課は「理想を掲げることで、現実と乖離(かいり)していることが明確になる。そのギャップを埋める努力をしなければならない。エコ計画がその議論のきっかけになれば」と説明した。
ほかに会議では市が年度内導入を目指すエコアクション・カンパニー認定制度や環境省大臣官房環境計画課の泉勇気課長補佐による「日本発の脱炭素化・SDGs構想」の説明があった。