最大瞬間風速61.2㍍/台風13号
長時間暴風、5人けが/目に入り、猛烈な吹き返し
非常に強い台風13号は5日、宮古島に直撃し、長時間暴風域に巻き込みながら北上した。宮古空港では同地点の史上最大61・2㍍の猛烈な風を観測した。この台風で5人が軽傷を負っている。停電は全世帯の約9割に当たる2万世帯以上で発生した。サトウキビなど農産物にも大きな被害が出ている。床下浸水といった家屋被害も出そうだ。
宮古島地方が暴風域圏内に入ったのは5日午前5時ごろ。それから約20時間にわたって暴風が吹いた。午後1時40分ごろには台風の目にすっぽり収まり、猛烈な風雨が一時沈静。時折晴れ間ものぞいたが、数時間後に吹き返しが始まると再び暴風に見舞われた。
市消防などによると、割れたガラスの破片や、飛んできた室外機が当たるなどして5日夕までに男女5人が負傷している。
最大瞬間風速61・2㍍は5日午後0時22分に観測された。終日の暴風で宮古島と各地を結ぶ空、海の交通機関は全便が欠航した。
大雨も降った。5日午後6時までの24時間雨量は地区別に▽平良下里150・5㍉▽平良鏡原156・5㍉▽城辺136・5㍉▽下地島127・5㍉▽多良間仲筋12㍉-だった。
住民生活には大きな支障が出た。暴風域に入ると停電が次々と発生。最大2万590戸が停電し、生活に欠かせない電力のインフラ機能が完全にまひした。
強風でトタンなどの物が飛んだり、樹木が倒れたりする被害が確認された。車の横転も見られた。市総合体育館は屋根の一部が吹き飛ばされ、前福多目的運動場の旧ブルペンの骨組みはぐにゃりと曲がって使用不能になった。民家屋上のプレハブが風にあおられて倒壊する被害もあった。
農作物では、とりわけサトウキビの被害が懸念される。宮古全域で倒伏や葉の裂傷が見られ、回復にかかる時間も含めて大きな被害が予想されている。