研修生35人を選定/内閣府事業第2回会合
新規事業を創出へ/14日からスキル向上研修
宮古島の持続的な発展を目指す内閣府の「未来像デザイン人材育成事業」実行委員会の第2回会合が10日午後、市未来創造センターで開かれた。島で新規事業を創出していく中核人材の研修生35人を選定。併せて14日に開く第1回研修会のプログラムを確認した。研修生は島の課題を共有するとともに、時に対立概念で語られる経済、環境、社会の「三方良し」の未来を創造しながら事業化に向けた実践的なスキルを磨く。
この事業は、宮古島の発展を島外からの投資に頼るだけでなく、住民自らが主体となって事業を起こせる基盤をつくることが主な狙いだ。爆発的な観光振興で激変する宮古島の社会問題の解決に向けて具体的な事業プランを構想し、持続的な成長を実践できる中核人材の育成を支援する。
実行委員会は、これらの目的の達成に向けた統括機関。官民の専門家で構成され、琉球大学前学長の大城肇氏が委員長を務める。
事業では研修生の選定や研修カリキュラムの決定といった役割を担う。研修は来年2月まで計6回開かれる予定で、第2回会合では民間企業などから推薦された研修生の認定と第1回研修プログラムを確認した。
14日に開かれる第1回の研修会では、大企業や教育現場などで活用され、国内外で10万人以上が体験して話題になっている「2030SDGsゲーム」を活用しながら経済、環境、社会のバランスが取れた持続的な社会の発展を考える。
ゲームを通して、経済発展が先行すると、環境、暮らしにダメージが及ぶことや、関係者による相互の連携が持続的な島の発展に欠かせないことを学ぶ。
パネルディスカッションも行い、島の課題解決のために必要なマインドとスキルの習得に努める。
講師は沖縄ITイノベーション戦略センターの兼村光さん、実行委員会委員で協働促進社代表の平井雅さん、同じく実行委員会委員で「Socio Forward」代表取締役で弁護士の水上貴央さんが務める。
会合で水上さんは「経済の発展と同時に、環境や社会を良くしていくためにはどうすれば良いのかを考えながら、メッセージを出していきたい」と話した。
会合では研修効果の測定方法についても協議し、能力や適正評価の定量化を検討した。また、研修を終えた受講生には内閣府の修了証が交付されることなどを再確認。原則として全科目出席が必須条件になることなどが話し合われた。